ニーチェ哲学の中核を成す 「永遠回帰説(永劫回帰説)」 とはいったい何であるのか? その思想の意味するところをひと言で表現すれば
「世の中のすべての事柄は同じことの繰り返しである」 とする強烈なニヒリズムの境地である。 木阿弥は何をどう生きても 「元の木阿弥」
でしかないのである。 「目指した目標」 はその目標が達成されるやいなや、次なる目標が現れて尽きることはない。 「なぜの問い」
もまたその問いが解かれるやいなや、次なる問いが現れて尽きることがない。 それに向けての努力が永遠に報われることがないことに気づいた者は大きな絶望に陥ってしまう。
自分の人生にとって 「目標」 も 「問い」 も全てのものが無意味であるとする 「極限のニヒリズム」 はこうして訪れる。
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