先日、コロナ禍で会うこともままならなかった友垣から久しぶりに電話があった。 あれこれ近況を話しているうちに、彼の身に起きた出来事に話が至った。
曰く、「最近は65歳を過ぎるとキャッシュカードさえ自由につくれないし、銀行の窓口に行っても少額しかおろせない」 と言うのだ。
彼が言わんとするところは 「老齢化した自分には、もはや一般人としての信用さえ付与されない」 ということである。 「だがかっては齢をとったら意地悪ばあさんならぬ
“意地悪じいさん” になると息巻いていたじゃないか」 と私が言うと、「なに言ってるんだ、意地悪しようにも近づけば、我先に逃げていってしまって、相手にもされない」
と嘆いた。 つまるところ彼は、団塊の世代が迎える 「高齢化社会」 に対する 「やるかたない憤懣」 を述べているのである。
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