それどころか私には現在の 「この国のかたち」 がいびつにゆがんで悲鳴をあげているかのように見える。
時間は前にのみ進むのだから、過去の歴史に習ってみても意味がないとする現代人の 「功利主義的風潮」 が司馬遼太郎の警鐘を覆い尽くしてしまったのである。
文明はかくなる文明が 「繁栄した理由をもって滅ぶ」 といわれる。 もし歴史を省みることなき 「功利主義的風潮」 が日本の繁栄をもたらした理由であるとするならば、その風潮をもって日本は衰退することになる。
司馬遼太郎が言いたかったこととは 「このこと」 であったのではあるまいか?
|