1991年から1993年頃にかけて起きた株価や地価の急落、いわゆる 「バブル崩壊」 の損失は
1400兆円余 と言われている。 他方、第2次世界大戦における日本の損失は 800兆円余 と言われている。 バブル崩壊後の日本は失われた30年と呼ばれる低迷期に陥り、いまだにその損失から立ち直ることができない。
第2次世界大戦の敗戦を 「第1の敗戦」 とすれば、バブル崩壊での敗戦は 「第2の敗戦」 と位置づけられる。 第1の敗戦での損失は
「物質的な損失」 であったことに対し、第2の敗戦での損失は 「経済的な損失」 であったことは異なるがその敗戦に至る過程と原因は同じであることは考慮にあたいする。
それは 「現状認識の錯誤と無反省」 である。 東京都の地価でアメリカ合衆国の全土が買えると言われてもそれを 「おかしい」 と考える者はいなかった。
それは明らかにバブルの兆候であったにもかかわらず。 また第2次世界大戦の末期、停戦を主張する者はいなかった。 それは明らかに戦局は敗戦の様相を呈していたにもかかわらず。
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