実数が現実の世界に存在する数字であることに対し、虚数 (imaginary number)
は想像の世界に存在する数字であって、頭の中でだけで考えられる数字である。 なぜにこのような数字を考えたのかは 「数学的な思考展開において便利だから」
ということに他ならない。 この数字(虚数)を使うことで最先端科学である量子力学等における難問が解決され、新たな解釈が拓かれたことがそれを証している。
虚とは、「むなしいこと」、「内容のないこと」、「空虚」、「うつろ」、「から」 ・・ 等々を意味するどちらかといえば否定的な言葉であるが、あるいは計り知れない力を秘めている存在なのかもしれない。
古来、この世は 「実の世界」 ばかりが重視されてきたが、これからは 「虚の世界」 が重視される時代になるのかもしれない。 フェイスブックの創業者ザッカーバーグが目指す
「メタバース(超越空間構想)」 などはその未来社会の様相をリアリティをもって描いている。 現実空間が実数であるとすれば仮想空間である
「メタバース」 は虚数にあたいする。 なぜにこのような 「虚空間」 を考えたのかは 「経済学的な社会展開において便利だから」
ということになるのであろうが、実空間における実数的価値が虚空間における虚数的価値に変換されるとするならば、その価値とは 「いかなるものか」
気になるところである。
|