自らの体をコントロールするものは自らの精神である。 また自らの精神をコントロールするものは自らの体である。 体と精神は一体不可分であって、いずれか片方が脱調すれば両方が脱調してしまう。 その逆に、どちらか片方をコントロールすれば両方が順調となる。 健全な精神は健全な体に宿り、健全な体には健全な精神が宿るとは真理である。 ゆえに、硬直した精神からは硬直した体が実現し、柔軟な精神からは柔軟な体が実現する。

　即身とは 「想像と現実を融合」 することである。 分かり易く言えば 「心と体を融合させてひとつにする」 ことである。 想像とは意識的直観が投影した場面であり、現実とはその場面が時空間に投影した物質的実在である。 空海が時空を操ったとされる 「即身の秘術」 とは、何のことはない、自らの精神と体をコントロールして一体化することに他ならない。