Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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暗澹たる思い
 情報化時代における意識世界の急激な膨張(インフレーション)が社会に与える影響を描いた 第721回 「社会学的インフレーション理論」 を書いたのは2013年3月5日のことであった。 それから 9年 ほどの時間が経過したことになる。 かくして今、眼前にする社会の様相がその社会学的インフレーション理論が予測した風景に限りなく近づいていることに暗澹たる思いを深くする。
 とりわけ稿の末尾に配したその理論が予測する社会の終末が 「戯言(たわごと)に戯言を限りなく重ねていくうちに大戯言となって飽和し、やがては何を言っても意味をもたない、心的死と呼ばれる、虚無的で無感動な静かな暗闇の世界であるなどとは想像したくない」 に至ってはほとほと語る言葉もない。

2022.07.25


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