曖昧量の増大、言うなればエントロピ増大に対して人類が対応可能な限界としての臨界点をすでに突破しているのか、それともその以前なのかを判断できる者はいない。
それは神のみぞ知るところである。 仮に臨界点を突破しているとすれば、人類の能力をもってしては対応不能である。 いかなる対策を打ち出したとしても混乱を解決することはできないであろう。
それは打ち出されたさまざまな対策が必ずしもその効果を発揮していない昨今の世相と符号する。 エントロピは新たな事態が起きる度に増大する。
蟻の詰まった缶を開けるとその蟻を収容するためにはさらに大きな缶を必要とするというのがその喩えである。
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