世界は今、ロシアの 「ウクライナ侵攻」 一色に染まっている。 世界中の人々がかってこれほどまでに 「一致団結」 して反戦を叫び、武力による侵略を嫌悪したことがあったであろうか？ その非難の嵐は 100 対 １ の比率でロシア（プーチン大統領）に向かって吹きすさんでいる。 世界はどこか根底から変わってしまったようである。

　その変質には工業化時代から情報化時代への特徴であった物質から意識への移行が大きく関わっている。 その移行が戦争の構造さえも物質的戦争から意識的戦争へとその様相（姿形）を変えてしまったのである。 あるいは、プーチン大統領はその潮流の変化を見誤って旧態依然たる戦争構造のままに突き進んでしまったのではあるまいか？ だが世界はすでにして 「有形から無形」 に変わってしまっていたのである。

　ここで言う有形とは 「武器に依存した軍事力」 であり、無形とは 「言語に依存した情報力」 のことに他ならない。 それはまた 「軍事力に依存した専制主義」 としての有形であり、「情報力に依存した民主主義」 としての無形に他ならない。 無形なものに向かって砲撃しても 「暖簾に腕押し」 の喩えのごとく的はずれで意味がない。 やはり 「義なき戦は負け戦」 なのである。