未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
想像と創造からの実在場の象出
「線形時間の廃棄」 と 「フラクタル幾何学概念」 から導かれた 「
時間も空間もない宇宙構造
」 は現在だけの 「
シンプルな宇宙
」 に帰着する。
しかして求める 「実在」 は今の今の刹那である 「現在」 に存在する。 人生とはその現在が連続したものに他ならない。 実在しない過去と未来は意識としての想像から生まれた 「仮想」 である。 その仮想を実在に転化するためには現実に基づいた 「考える頭脳と思う心」 をもって 「創造」 することである。
かくして 「創造された世界」 は今の今の刹那である現在に象出した 「新たな実在」 となる。 言うなれば、創造とは異次元空間を繋ぐ 「時空のトンネル(ワームホール)」 のようなものであって、不可能は可能となり、思いもよらぬ世界が拓かれるのである。
他方。 仮想である想像から実在に至る道を説いたものに 「即身」 がある。 即身とは想像と現実をひとつに融合することであって、「
即身への道
」 は終局で 「心の在りよう」 に収束する。 楽しく想えば楽しく、苦しく想えば苦しい。 かくなる想像を自在に制御できるようになれば、人間はあらゆる束縛から解放され 「完全な自由」 を獲得できるであろう。
だが想像を制御することで生まれる実在は 「受動的な実在」 であって、創造による 「能動的な実在」 と一体化されなければ完全ではない。 人間が万物の霊長と言われる所以は、まさに 「想像」 と 「創造」 を合成して 「ひとつの実在場」 を今の今の刹那である 「現在」 に象出させることにある。
2022.01.18
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