しかしてその末尾で私は、「物理学的インフレーション理論」 が予測する 「宇宙の終末」 が、限りなく膨張する中で温度は低下していき、やがてエネルギ密度は均等となり、「熱的死」
と呼ばれる、動くものなく物音ひとつしない 「静かな暗闇の世界」 であると同じに、「社会学的インフレーション理論」 が予測する
「社会の終末」 が、戯言(たわごと)に戯言を限りなく重ねていくうちに大戯言となって飽和し、やがては何を言っても意味をもたない、「心的死」
と呼ぶような、虚無的で無感動な 「静かな暗闇の世界」 であるなどとは想像したくないと述懐している。 畢竟如何。
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