未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
グローバル化の代償〜変異ウィルス
新型コロナウィルス感染症は変異ウィルスであるデルタ株の感染拡大が収束に向かうのも束の間、今度は南アフリカに端を発する 「オミクロン株」 が登場して世界を震撼させている。 コロナウィルスのウィルス変異はイギリスでのアルファ変異→南アフリカでのベータ変異→ブラジルでのガンマ変異→そしてインドでのデルタ変異と移行を繰り返して現在のオミクロン変異に至っている。 コロナウィルスは誠にもって強敵で転んでもただでは起きないようである。
インフルエンザの起点となった 「スペイン風邪」 は概ね2年の歳月をもって収束したが、そのインフルエンザの一類であるコロナウィルスのしたたかさはその比ではないようである。 かくなる変異の原因が急激に進んだグローバル化がもたらした 「ボーダーレス社会」 にあることは明らかであろう。 地球環境がボーダーレス化することで生物の種が広範な交配を繰り返して複雑多岐に変異していくのは自然の摂理であって、ウィルスとてその因を免れることはない。
物事は何かが善ければ何かが悪い。 利点は欠点でもあり、欠点は利点でもある。 世界のグローバル化がもたらした 「利」 は莫大であったが、その 「害」 もまた莫大なのである。 宇宙内蔵秩序としての対称性とは 「かくのごとし」 である。 そろそろ、その利と害を計らなければならない地点に立ち至ったのではあるまいか。
2021.11.30
copyright © Squarenet