未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
安全と危険の狭間〜危うきに遊ぶ
戦後の日本は1947年に平和憲法が施行されてこのかたある意味安全が保障された国としてやってきた。 物事の生起には確かさが内包されよほどのことがなければ危機などは訪れないという安定と安心に満ちた社会である。 だがそれも74年余の長きに渡ればその賞味期限に期限切れがやって来たとしても不思議ではない。
だが安全と言えど、危険と言えど、宇宙の内蔵秩序である対称性の理からすれば、いずれか片極のみということはありえず、両極あるのが常態である。 それは表だけや裏だけの紙が存在しないと同じである。 両者の関係は相対的であるとともに相補的である。 言うなれば、安全性とは見方を変えた危険性であり、危険性とは見方を変えた安全性である。 あるいは、安全性は危険性の中に含まれ、危険性は安全性の中に含まれている。 戦後から続いた安全一辺倒が揺らいできたとしても驚くにはあたいしない。
宇宙の理のもとにあっては是非もなく、その胎動を泰然として受け入れることが了としての配剤であろう。 「
名人は危うきに遊ぶ
」 というではないか。
2021.08.25
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