必要なことはその決断の 「依って立つ基準(根拠)」 である。 その基準は時代によっても異なろうが、現代社会で考えれば、その決断によってもたらされる
「経済的な利害損得」 や 「科学的な合理性」 などがあげられよう。 現代社会の価値観からすれば大半の決断はこの 「2つの基準」
にて一件落着するのではあるまいか。 だが往々にして、かかる基準ではいかんともしがたい決断がある。 あれが立てばこれが立たず、これが立てばあれが立たないような複雑な案件である。
例えて言えば、コロナ禍における感染対策と経済対策のような 「二律背反の課題」 があげられる。 科学的な合理性にしたがって感染対策を優先すれば、経済的な利害損得にしたがった経済対策が成り立たず、逆に経済的な利害損得にしたがって経済対策を優先すれば、科学的な合理性にしたがった感染対策が成り立たない。
言うなれば 「完全矛盾」 である。
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