未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
フラクタル思考とホロニック思考
ローカルな世界とグローバルな世界の構造を還元すれば 「
細部と全体
」 という構造に帰着する。 その構造を描くには2つの方法が使用される。 ひとつは、入れ子状に重層的に階層を成す 「フラクタル構造」 としての表現であり、他のひとつは、どんな部分にも全体の動向が含まれているような 「部分=全体系」 である 「ホロニック構造」 としての表現である。 小さな世界はより大きな世界に含まれているとともにさらに大きな世界に含まれているとする説明は 「フラクタル構造的な表現」 であり、小さな世界に大きな世界が含まれているとともに大きな世界に小さな世界が含まれているとする説明は 「ホロニック構造的な表現」 である。 ちなみに 「一はすなわち一切であり、一切はすなわち一である」 とする華厳経の教義はホロニック構造的な表現で描いた宇宙観である。
細部と全体を理解するするにおいてどちらの表現をイメージするかは臨機応変であって確と定めることはできないが、左脳に優れた者はフラクタル思考が、右脳に優れた者はホロニック思考が受け入れられやすいであろう。 それは同じ解を得るに 「左脳的な代数学」 を用いるか、それとも 「右脳的な幾何学」 を用いるかの違いに相当する。
だが、入れ子状に重層的に階層を成す 「フラクタル構造」 としての表現も、その階層が無限に続くとすれば、我々が生きている階層を永遠に特定することはできない。 フラクタル思考で構築した 「
ペアポール宇宙モデルの帰結
」 を 「宇宙には大きさがなく、あるのはその仕組みである」 と結んだ。 それはサイズという概念を仕組みという概念に 「意識跳躍」 させることで、左脳的思考から右脳的思考へと思考転換させた結果である。 結局。 フラクタル思考と言い、ホロニック思考と言えども、それは単なる視点の違いでしかないのである。
2021.07.13
copyright © Squarenet