開幕をひかえた東京オリンピックが盛り上がりに欠けるのは、コロナウィルス感染症のせいだけではなく、その根底には 「グローバルからローカルへ」 の潮流の変化が影響しているものと考えられる。

　遡る57年前に開催された 「東京オリンピック1964」 では、戦後復興が目覚ましい頃のことで、国力を総動員して 「ローカルからグローバルへ」 の道を拓こうと決起していたのである。 その姿は涙ぐましいほどのものであった。 かくしてオリンピックを期に、その後、日本がGDP世界第2位にまで急成長したことは歴史が説明するところである。 まさに 「日出ずる国 （Land of the Rising Sun）」 そのものの状況であった。 だが繁栄は永遠に続くものではないこともまた歴史が説明するところであって、過去に勃興した国々の歴史がそれを物語っている。

　だがしかし、世界がローカルからグローバルへと向かい、転じて再びグローバルからローカルへと向かうことは 「あたりまえといえばあたりまえ」 のことである。 なぜなら、この世の諸現象を支配する宇宙の 「内蔵秩序」 は対称性に基づいた 「波動運動」 で構築されているからに他ならない。 世界は今その波動の 「変節点」 を迎えているに過ぎない。 面白くない時代も、しばらく我慢すれば、やがては面白い時代が到来することは必定なのである。