あまりに急激な変革は社会を進化させるどころか破壊しかけない。 だが情報化の潮流はそんなことを忖度してくれるわけではない。 自己肯定の増殖エネルギは情報化社会の繁栄に向かってその運動を止めることはない。 生き延びるには、その潮流に自らを対応させるより他に方法はない。 酸性からアルカリ性に変わってしまった池に生息するアメーバーは、体質を水質に対応させる以外に生き延びる道はない。 「生存するとは同化すること」 であってそのことに是非はない。

　弘法大師、空海が目指した 「大いなる秘術（即身）」 は意識的想像と物質的現実を一致させることにある。 曰く。 意識世界と物質世界を 「同化させる」 ことである。 だからといって無理矢理に同化させるものではない。 「即身は無為自然にて」 こと足りるのである。