未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
細部と全体(1)〜ローカル社会とグローバル社会
現代社会を描いた 「半径3Kmの社会」 で、私はその様相を以下のように書いている。
超グローバル社会も行き過ぎると今度は超ローカル社会に反転する。 そう 「半径3Kmの社会」 である。 超グローバル社会もまた 「そこから始まった」 のである。 何のことはない。 事は遠大なループを描いて原点に回帰したのである。 だが 「半径3Kmの社会」 の超ローカル社会がかならずしも 「小さな世界」 で、地球規模の超グローバル社会が 「大きな世界」 というわけではない。
「
ペアポール宇宙モデル
」 では 「細部は全体 全体は細部」 という入れ子状に階層を成す 「フラクタル構造宇宙」 を描いている。 このモデルに従えば、半径3Kmの超ローカル社会には地球規模の超グローバル社会が含まれている。 現代社会は瞬時にあらゆる情報が地球上を駆けめぐる情報社会であって、好むと好まざるに関わらず意識下には超グローバル社会が常に身近に存在している。 しかし、存在しているからと言って、手に触れられるわけでもなく、自由にどうこうできるわけでもない。 超ローカル社会に生きる者が抱く失望感は超グローバル社会で今まさに起きているミャンマーの軍事クーデターやパレスチナとイスラエルの紛争等々を半径3Kmの世界をもってしては 「いかんともしがたい」 という無力感から生まれている。
2021.06.01
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