「人の行く裏に道あり花の山」 という格言がある。 現代社会は混み合った表の道を行く人ばかりで裏の道を行く人は少ない。
せっかくこの世に生まれてきたのであるから花の道をゆっくり行きたいものである。 どちらの道を行くかはそれぞれ好みによるところであろうが表と裏のいいとこ取りをしようとしてもそう上手くいくものではない。
それはあとで振り返って眺めれば 「あぶはち取らず」 で何を見てきたのかわからないような生き方になってしまう。 先日。 名優、田村正和が亡くなった。
孤高の旅人は次なる憧れを求めて裏の花道を静かな歩調で山間を吹きぬける風のようにして渡っていったに違いない。
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