未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
栄枯盛衰またかくのごとし
都会は便利なだけで非常時には意外なほど脆弱である。 これがコロナ禍があぶりだした都会の実相である。 3密を封じられた便利さにいったい何ほどの価値があったのであろうか? 高度に集積化されたシステム経済社会は平時であれば莫大な生産性を発揮する。 だがひとたび非常事態に陥るやその莫大な生産性は逆に作用して莫大な非生産性をもたらす。 巨万の富みも一夜にして灰燼に帰す危険性さえはらんでいる。
他方。 地方は不便ではあるが非常事態には意外なほどに強靱である。 3密を封じられても空間が四方に広がっているのでそうは困らない。 またシステム化が遅れている地方経済では非常事態に陥っても応分の生産性は維持される。 非常時には1年で倒産してしまう都会の会社も地方では数年は生き延びるというわけである。 利点は欠点でもあり、かつまた欠点は利点でもある。 栄枯盛衰またかくのごとしである。
2021.04.26
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