であればのこされた方法は想像と現実を一致させる 「即身」 である。 仏に成るために生きるのではなく、仏として生きるという方法である。
分かり易い言葉で言えば、心身ともに 「仏に成りきる」 ことである。 信じる者は救われるというあれである。 物事は考え方しだいであって、心に理想を思い描けば現実は理想化される。
だがこの世は正邪が混在した世界であるからして、想像には正念にしたがった 「天上天下唯我独尊の気風」 が求められる。 社会に忖度して迎合しようとする想像では、するほどに現実からは乖離していく。
それどころか待ち受けているのはその忖度と迎合を餌にした陥穽でしかない。 好かれよう、評価されよう、とする想いを捨てたとき 「即身への道」
は定まるのである。
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