Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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情報社会の処世術
 情報社会で人間がつつがなく健全に生きるためには、激しく行き交う情報に翻弄されて、ノイローゼやマインドコントロールに陥らないことである。 そのためには過度に考えすぎないよう思考にストップをかけることである。 いわゆる 「止観」 である。 その方法としては座禅や瞑想などの習法があるが、「考えるな」 といっても考えてしまうのが人間の逃れ難き習性である。
 であればのこされた方法は想像と現実を一致させる 「即身」 である。 仏に成るために生きるのではなく、仏として生きるという方法である。 分かり易い言葉で言えば、心身ともに 「仏に成りきる」 ことである。 信じる者は救われるというあれである。 物事は考え方しだいであって、心に理想を思い描けば現実は理想化される。 だがこの世は正邪が混在した世界であるからして、想像には正念にしたがった 「天上天下唯我独尊の気風」 が求められる。 社会に忖度して迎合しようとする想像では、するほどに現実からは乖離していく。 それどころか待ち受けているのはその忖度と迎合を餌にした陥穽でしかない。 好かれよう、評価されよう、とする想いを捨てたとき 「即身への道」 は定まるのである。

2021.03.22


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