日本国内でひきこもり状態にある人は総人口の約1%、100万人超に上るという。 最近では80代の親が50代の子どもを養っているケースもあって
「8050問題」 と呼ばれている。 なぜ人はこもるのか? その原因は諸説さまざまあるが、ひとことで言えば 「社会が怖い」 という不安心理であろう。
朝から晩まで365日、何年にも渡って、「こうしないと貴方はこうなりますよ」 と社会から脅されたら、よほどの強心臓の持ち主でもないかぎりドアを開けて外に出ていくことに躊躇を覚えるようになるのはむしろ当然の仕儀ではあるまいか?
繊細な神経をもっている優しき人であってみればなおさらである。 社会が他人を省みない傲慢な人々や罵詈雑言を投げかけるような人々で満ちているとなれば、むしろひきこもりにならないほうが不思議なくらいであろう。
それでも外に出ていきなさいということは、高所恐怖症の人に向かって 「千仭の谷に渡された橋の欄干に立て」 というにひとしい暴言であろう。
こもり人の不安心理はかく高所恐怖症の恐怖心理に勝るとも劣らないのである。
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