Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
Turn

仮想社会の到来〜証拠なき可能性
 アメリカ大統領選挙に対する民主党の不正投票をトランプ支持者(共和党)の半数がいまだに信じているという。これを追い風にトランプ大統領は自身の敗北を認めようとはせずに裁判所にさまざまな訴訟を提起している。そのほとんどは 「不正の証拠なし」 として却下されているようであるが勢いはとどまるところをしらない。
 トランプ氏の主張は 「自らが敗北を認めなければ敗北ではない」 という論理でのみ成立するものであって、それは 「証拠なき可能性」 で構成された我田引水の 「根拠なき確信」 でしかない。 まさに 「フェイクも断じて行えばファクトとなる」 といわんばかりである。
 社会は人間が織りなす社会であるからして、「フェイク主体」 の社会があっても不思議ではないが、その社会はもはや実世界のものではなく 「虚世界」 のものであろう。 言うなれば、バーチャルなコンピューターゲームの世界に存在するような 「仮想の社会」 である。 その仮想社会で民主主義が成立するかを問うのは 「ナンセンス」 以外の何ものでもない。

2020.11.17


copyright © Squarenet