未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
国家統治システムの対消滅〜民主主義の終焉
社会主義を国家統治の要としてきた国々が次々に衰退。1989年には米ソ首脳によって冷戦終結が宣言された。その後、30年に渡って民主主義を国家統治の要としてきた国々でもその統治システムにさまざまな矛盾が露呈。今や崩壊の危機が迫っている。
イギリスの理論物理学者、ポール・ディラック(1902〜1984年)によれば、物質は電子(物質)と陽電子(反物質)から成る 「ペア粒子」 によって存在している。陽電子は電子と同じ質量であるが電荷は反対となっていて陽電子と電子が衝突すると 「対消滅」 を起こし同時に光がほとばしる。物質の素粒子であるペア粒子のかくなる動向は宇宙の内蔵秩序としての対称性に対する根源的な根拠を与えてくれる。
物質生成に関わるこのような動向に準拠すれば、国家生成の動向に関わる国家統治システムの対称性である社会主義と民主主義が互いに衝突して対消滅してしまうことも相当の妥当性をもって受容可能であろう。ここで民主主義が消滅してしまっても何ら不思議はない。 問題はかくなる対称性(Pairpole)が消えたあとの世界がどうなるのかということである。 これは大問題である。
2020.11.16
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