未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
2つの真理〜アメリカ大統領選挙が語るもの
真理には相対的真理と絶対的真理がある。 相対的真理は社会学的真理であって、その真理は 「人倫の天秤(人間の天秤)」 で量られる。 絶対的真理は科学的真理であって、その真理は 「天の天秤(宇宙の天秤)」 で量られる。 人倫の天秤は人間が介在するため、その者の依って立つ立場によって、その真理の値は時と場合で異なる。 多くの場合、その値は多数決によって確定される。 天の天秤は人間が介在しないため、その真理の値はいついかなる場合であっても異なることはない。
絶対的真理では、1+1=2であるが、相対的真理では、1+1=0でもあり、3でもあり、5でもある。 現実の社会での真理はこの2つの真理が混在したものである。 ある時は絶対的真理が用いられ、ある時は相対的真理が用いられる。 このことが人間社会を複雑にするとともに多くの紛争を発生させる。
現在進行中のアメリカ大統領選挙は投票から1週間を経た今もトランプ氏、バイデン氏のどちらが勝ったのか負けたのかが判然としない。 この争いは社会に混在する相対的真理と絶対的真理の戦いの典型であって、その様相は 「かくある」 と白日の下に晒すことで、その意味の 「何たるか」 を万人に問いかけている。
2020.11.10
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