「国民のために働く内閣」 を掲げて9月16日に発足した菅内閣は従来の社会統治システムをデジタル庁を創設して人為的システムからコンピューターシステムに置きかえることを新政権の中核的事業にするようである。

　今まさに時代は工業社会から本格的な情報社会へと移行しようとしている。 かって工業社会はそれ以前にあった農耕社会を過去の世界に葬り去った。 そして今度は来るべき情報社会がその工業社会を過去の世界に葬り去ろうとしている。 農耕社会から工業社会への移行に際して人類はそれまでの生活習慣や価値観の激変にみまわれた。 それはまた工業社会から情報社会への移行に際しても同じであろう。 その変化率はそれを超えてさらに激しいものになるかもしれない。 「想像できない社会」 の到来である。

　勿論。 想像できない社会の到来は今回が初めてではない。 それは狩猟採集社会から農耕社会への移行においても、また農耕社会から工業社会への移行においても、人類は同様に、その社会を 「想像できなかった」 のである。