未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
主体性の喪失
してはいけない「原子核操作」、「遺伝子操作」にさらに加えるならば、ここに至って進歩著しい 「人工知能の運用」 が揚げられる。
理由は2つの操作と同じく、ひとたび予測不能な事態(コンピュータープログラムの暴走等)が発生したとき、人間の能力(知力)をもってしては「修復不能」に陥ってしまうからに他ならない。
これらの「してはいけないことの底流」には、そのどれにも 「人間の能力を超越している」 という共通点が横たわっている。 その意味するところは 「主体性の喪失」 である。 分かり易く言えば、「従僕であったはずの科学技術がその主人であったはずの人間に成り代わって主人になる」 ということである。 主体性を失った人間にいったい 「何がのこされるのか」 を深く想像すれば、「ことの顛末の重大さ」はより明瞭に理解されるであろう。
2020.08.06
copyright © Squarenet