経済的基準から哲学的基準への転換とは、経済が有形な物質を土台として成立していることをもって、哲学が思想を土台にして成立していることをもって、有形存在から無形存在への価値観の転換を意味している。その変遷の経過は工業社会から情報社会への転換と同期し意味する内容もまた等価的である。

　今後さらに社会構造が複雑化し扱う対象の無形化が進化する未来ともなれば、哲学的な判断基準もまた用を成さなくなって、代わって心理学的な判断基準に移行していくのではあるまいか？ 言うなれば、「人は何のために生きているのか」という基準から 「宇宙は何のために存在しているのか」 という基準への転換である。 それはもはや宗教的な課題であって、解決の鍵は 「色即是空 空即是色」 の意味するところになる。