だが難問だからといって手をこまねいてはいられない。現実世界の胎動は生々流転してひとときもとどまらない。事態の展開は時間の矢にしたがって進むだけであって戻ることはない。決断の道筋は3通り。その1、A
を採る。その2、B を採る。その3、どちらも採らない。日本の政策は、どうやら「その3」を採るらしい。その1やその2の道筋は当たればいいが外れた場合の責任は重大であって、よほどの者でなければ採り得ない。その3の道筋は言うなれば
「何もしない」 と宣言しているようなものであって、それを政策と言うかは適正を欠く。
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