世界は今、「八方ふさがり」の状態にある。 原因はコロナ禍に端を発した急激な経済減速である。さらに言えば。それにともなった人間社会の荒廃である。つい先日までは我が世を謳歌していた世界経済がうそのようである。それは前ぶれもなく足音をしのばせるようにしてやって来た。だが少し考えればそれは充分に予測できたことである。 「人間の傲慢さ」 がその侵入を見過ごしてしまったのである。 曰く。 「天災は忘れた頃にやってくる 」 の教訓は常にやって来てから気づくもののようである。

　結果、目に見えないミクロのウイルスは近代文明社会の繁栄を瞬く間に吹き飛ばしてしまった。近代文明の象徴である都会の惨状は目を覆うばかりである。今や都会は最も住みにくい世界に変貌してしまった。かかる天災に政府は世界最大規模と自負する経済対策予算をもって対処しようとしているが効果は未知数である。多額の予算を投じたとしても感染予防策の３密（密集・密接・密閉）で活動を封じられてはかくなる経済対策がいかなる効果を発するというのであろうか？

　今求められているものは３密を脱するライフスタイルへの転換なのではあるまいか？ より具体的に言えば 「都会の集中から地方への分散」 である。 ライフスタイルを変えるのに政府の指図はいらないし、それほどのお金もまたいらない。 それは個々人が決意すれば 「今日にもできる」 ことである。