Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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信長の即身〜是非もなし
 想像と現実を一致させるとは 「1 の想像を 1 の現実とし、2 の想像を 2 の現実とする」 ことである。あたりまえのことであるがこれがなかなかに難しい。 危険度 1 の現実を危険度 10 の想像として大騒ぎしたかと思えば、逆に危険度 10 の現実を危険度 1 の想像として漫然と放置するのが人間である。 もし想像と現実の重みを 「当量に対応」 させることができたならば、それだけで 「即身は完成」 したようなものである。
 「掛け値なし」 という言葉がある。 もし日々発生する出来事に 「掛け値なしの重み」 をもって現実と想像を対応させることができればそれは 「超一流の人間」 ということができる。 本能寺で信長が光秀に急襲されたときに言ったという 「是非もなし」 とは 「信長の即身」 を述べたものであろう。 現実の事態に対し信長の想像が掛け値なしの重みで対応した結果としての 「是非もなし」 なのである。 光秀という緻密な現実からすれば事に臨んで手抜かりなどありえず、もはや絶体絶命であって窮地は免れない。 信長の想像と現実はここに一致したのである。

2020.06.24


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