比叡山延暦寺を開創した伝教大師、最澄の教えは法華経を深く探求するところから始められた。釈迦の教えをまとめた「教典」の数は、84,000
あるといわれる。法華経は釈迦の晩年8年間で説かれた釈迦の集大成の教えである。 その内容は28章に分かれていて、あらゆる仏教のエッセンスが凝縮されている。
「誰もが仏になれる」 という大乗思想の根本教典でもある。 最澄はその法華経の中から 「照千一隅」 の字義を見いだした。最澄はその
「照千一隅」 を 「一隅を照らす」 と簡潔に表現したが、本来は 「一隅を守るは千里を照らすなり」 という意味で、 すべての人がそれぞれの分野で全力を尽くして生きて行くことが、結局は国全体を照らすことになるという教えがその解釈である。
最澄は万民にわかるように 「一隅を照らす者は国の宝である」 と意訳したのである。 だが、釈迦と最澄の字義は等価的で同意である。
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