未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
存在者の終焉
こころ踊るような探求心を失った社会とはどのようなものなのか?
不可能に挑戦しなくなった若者の姿が浮かんでくる。 科学が終焉した物質的豊饒の世界では、それは 「愚か者」 のすることであって、「まともな者」 がすることではない。 もたらされたその豊饒の生活を只々享受すればそれでいい。 芸術だ! 文学だ! そんなことを探求したとて、この生活に何の役に立つというのか? 無駄だ! 無駄だ!
だが、明日への期待を失った彼らの瞳は生気を失って淀んでいる。 その姿は哲学者ニーチェが予見した 「
末人
」 のようであり、背後に広がる風景は映画 「
マッドマックス
」 のようである。
2020.04.17
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