時間は過去には進まないという 「時間の非可逆性」 の根拠は熱力学の根本法則である 「エントロピー増大の法則」
にある。 物理学の根源法則である 「エネルギ保存の法則」 に匹敵するこの法則を学んだのは大学での物理学授業でのことであったがいまだにその理解が曖昧で釈然としないままである。
担当教授は京大卒の女先生で黒板いっぱいに数式を書き連ね 「法則の証明」 を熱心に語っていたのであるが 「なぜか」 すんなりと頭に入ってこなかった。
その時はたまたま頭がぼんやりしていたせいかもしれないが、いまだにその 「トラウマ」 から逃れきっていない。 そのときはとりあえず
「時間の経過に従ってエントロピーは増大していくのみで減少はしない」 という法則の意味するところのみを覚えることにとどめて刻をやり過ごしてしまったのである。
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