未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
現代社会は天国なのか地獄なのか
「
科学的合理主義の終着点
」 の末尾に記載したオーストリア生まれの文芸評論家、エーリヒ・ヘラーの 「・・・ 技術的進歩とは、地獄をもっと快適な居住空間にしようとする絶望的な試み以外のほとんど何物でもありません ・・・」 という科学的合理主義の描像は危うき現代人の様相を簡潔にして直裁に表現している。 現代人が絶賛してやまない科学的進歩が実は地獄をさらに快適な居住空間にしようとする 「絶望的な努力」 であると痛烈に批判したのである。 だがその批判を 「その通り」 と受け入れる現代人はいまだ希少であろう。 なぜならそれは 「現代社会より縄文社会の方が優れている」 ことを認めることに他ならないからである。
情報化が進み 「仮想的豊饒」 で囲まれた現代社会を天国と考えるのか、それとも身のまわりに広がる 「実存的豊饒」 で囲まれた縄文社会を天国と考えるかは人それぞれで自由である。 だがその行き着く先は慎重に熟慮を重ね検討されてしかるべきである。
2019.01.24
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