未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
科学の終焉と資本主義の終焉を越えて
資本主義の終焉を書いたのは2014年7月3日(第815回)であり、科学の終焉を書いたのは2017年9月1日(第1089回)であった。 これら 2つの終焉 は個別に発生したわけではなく密接に関連して発生したものである。
勿論、科学的発見には際限はないから20世紀初頭から続いた大発見のペースが少々停滞しているだけであるとする見方もあるが、そこには次なる大発見(超ひも理論の証明 ・・ 等々)にはかってないほどの多大な資金がかかるという経済的理由が関わっている。 それに対して資本主義的合理性は 「真理はお金にならない」 と裁定、「お金にならない科学は探求しない」 と結論づけたのである。 だがその資本主義さえも、今や利潤を生む投資先は減少著しく青息吐息の状態である。
社会の成長を支えたエンジンとしての 「科学」 とそのエンジンを駆動する燃料(オイル)としての 「資本主義」 が終焉してしまってはもはや 「万事休す」 である。
かかる2つの終焉を分かってか分からずか今も尚、巷間に響くのは 「成長、成長 ・・」 の大合唱である。 今、社会に求められているものとは 「いつまでたっても達成されない成長」 よりも、2つの終焉に代わる新たな 「駆動源」 である。 しかしながら科学と資本主義に代わる駆動源ともなるといきおい思考は停止してしまう。 ここは一切の 「しがらみから解き放された自由な発想」 から始めなければ道は拓かれないであろう。 それだけは確かである。
2019.01.18
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