Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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未来予測の可能性〜波動性未来予測と共時性未来予測
 予想し難き未来を予測するのに 「波動性」 と 「共時性」 という宇宙が内蔵する2つの根源的秩序を使う方法がある。 波動性とは繁栄はやがては衰退し、衰退はやがては繁栄するという、我々がよく知る 「栄枯盛衰の理」 である。 その理は宇宙を時間軸に沿って断面した連続宇宙に顕れる 「宇宙の内蔵秩序」 である。 他方、共時性とは心理学者ユングが言う 「意味ある符号(予兆)の象出」 である。 その予兆とは宇宙を時間軸に垂直に断面した刹那宇宙に顕れる 「宇宙の内蔵秩序」 である。
 波動性未来予測は我々がごく日常的に行っていることであるが、波動の構成には 「時間の経過」 が必要不可欠であって 「一瞬先の未来」 を予測することには適さない。 波動は 「振幅」 と 「波長」 の2つの特性をもっているが、その振幅や波長は時々刻々と変化していくため 「現在の位置」 がその波動における振幅と波長の 「いかなる位置」 にあるかを確定することができない。 つまり、下がった株価はいずれは上がるのは確かではあるが、現在の株価がその波動における振幅と波長のいかなる位置にあるかを確定することはできない。 さらに下がる過程にあるかもしれないし、また上がるにしても、その波長の長さが1ヶ月なのか、半年なのか、はたまた5年なのかは、時間が経過した後で確定されることである。 結局。 波動性未来予測は 「結果としては正しい」 のであるが 「方法としては妥当性を欠く」 ということになる。
 共時性未来予測は 「象出する意味ある符号(予兆)」 が時間経過に関係しないため 「一瞬先の未来」 を予測するには適しているものの、肝心要なその予兆を探すことはそう簡単ではない。 共時性は別名 「目的論」 とも呼ばれ、象出した予兆には 「何らかの目的」 が内蔵されていると考えられている。 例えば 「白い蛇(予兆)の出現」 は未来における吉兆であるというような構図である。 白い蛇の象出(予兆)と未来における吉事の到来は時間の経過によって構成される 「因果律」 では説明不能である。 つまり、現在における白い蛇の出現という原因と未来における吉事の到来という結果の間には合理的な理由が見あたらない。 共時性による未来予測は考えるのではなく 「直観的に感じる」 ものであって、ただただ 「眺める」 だけという、はなはだ 「非科学的な方法」 に基づいているのである。
 結局。 予想し難き未来を予測するためには 「これ」 というような決定的な方法は見あたらない。 だが見あたらないからと手をこまねいていても何も始まらない。 ここは波動性未来予測と共時性未来予測の2つの予測を巧みに併用してその予測確率を幾分かでも高めることが妥当性をもった 「現実的な方法」 であろう。

2018.12.29


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