Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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経済構造の変質(3)〜マトリックス
 人間の労働が作用しない経済とはいったい 「誰のための経済」 なのか? 人間でないとすればではいったいそれは 「何者のための経済」 なのか?
 生産財の大量消費が人工知能ロボットによってなされるとすれば、その何者とは 「人工知能ロボット」 ということになる。 そう 「人工知能ロボットのための経済」 である。 先日知ったことであるが、どうやら国は働いている人工知能ロボットの台数に応じてその使用者から税金をとろうと考えているようである。 それは固定資産税というよりも、人としての労働者が収める住民税や所得税の課税方式に近いものであるらしい。 まさに人間がロボットに置き換わったかのようである。 そのうちロボットが身にまとう 「防護カバー」 が労働者がまとう作業服と同様に必要経費として申告されることにでもなろう。
 かくなる展開の究極において、労働を失った人間は、もはや物体としての存在価値を失い、デジタルデータとしての 「バーチャル世界の住人」 に変質してしまうのかもしれない。 それはまさに、かって大ヒットしたキアヌ・リーブス主演のSF映画 「マトリックス」 の仮想空間世界のようである。 1999年の作品であるからもう 20年ほども時が経過している。 事態は映画で描かれた世界を超えてさらに進んでいるかもしれない。 そうなると事は経済構造などという旧来の発想ではとらえることはできない。 あるいはそれはもはや 「宇宙物理学」 の範疇になるのかもしれない。

2018.12.02


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