Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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人工知能ロボットに解雇されないために
 では人工知能ロボットに解雇されないためにはどうしたらいいのか?
 人工知能といっても人間がもつ知能を人工的に模倣しているに過ぎない。 しかしてその知能の中核的な源泉とは 「論理性」 である。 論理性とは 「1+1=2」 であって 「3」 ではないとする 「思考基準」 である。 人工知能はこの思考基準に則ってコンピュータが高度にプログラムされたものである。
 人工知能がその才能を評価されたのは囲碁や将棋の 「たたかいの場」 においてである。 そのたたかいの論理はひと言でいえば 「損得勘定」 である。 その論理に従って人間としての棋士よりも先にその勘定の最良解を導き出すことが人工知能の存在価値である。
 俗に言う 「頭のよい人」 とはこの論理的思考に優れた人を指す。 だが論理的思考を追求することにおいてはコンピュータに勝る者はこの地球上にはいない。 依って人間は人工知能ロボットに解雇されてしまうのである。 従って解雇されたくないというのであれば、人工知能ロボットが得意とする論理的思考で勝負しないことが唯一の策である。
 人工知能ロボットが不得意とする 「体力」 で勝負するのもいいがそこには限度がある。 論理の逆は 「直観」 であろう。 刑事ドラマで登場するたたき上げの老刑事が若輩刑事に向かってつぶやく 「俺の勘がそう言っているのだ」 というときの勘(直観)である。 そこには論理性を超えた 「何かがある」 とする暗黙の了解が成立しているのだが、おそらく人工知能ロボットはこの暗黙の了解を強く否定するであろう。 なぜならこの了解を認めてしまったら今度は 「人間によって人工知能ロボットが解雇されてしまう」 からに他ならない。 であれば人間が解雇されないためにはこの 「直観を磨き上げる」 ことである。

2018.10.10


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