永遠回帰説の構造 とは、今の今という現在を起点として
未来に向かうと過去に至り その過去から再び今の今という現在に回帰する というものである。 今の今という起点は円環上のすべての点であって、そこは
「始点」 でもあり 「終点」 でもある。
また 「存在と時間」 を著した同じドイツの哲学者ハイデッガーはその 「永遠回帰説」 について次のように述べている。
未来において何が起こるかはまさに決断にかかっているのであり、回帰の輪はどこか無限の彼方で結ばれるのではなく、輪が切れ目のない連結をとげるのは、相克の中心としての
「この瞬間」 においてなのである。 永遠回帰におけるもっとも重い本来的なものは、まさに 「永遠は瞬間にあり」 ということであり、瞬間ははかない今とか、傍観者の目前を疾走する刹那とかではなく
「未来と過去との衝突」 であるということである。
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