未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
努力とはエネルギの散逸である
エントロピの増大が 「でたらめさ」 の増大であるとし、生命活動がエントロピの減少であるならばそのでたらめさを修正する具体的動向は 「整理整頓」 ということになる。 さらに還元すれば、その整理整頓に必要不可欠な 「努力」 という精神的動向ということになる。
宇宙の万物事象は放っておけばエントロピは増大し熱力学的な平衡状態である 「無秩序」 に向かって移行していく。 例えて言えば、部屋を何もせずに放置すれば室内はゴミやホコリで雑然としてくる。 そのことは日頃誰しも経験することである。 この状態がエントロピの増大である。 これに逆らって部屋を整理整頓し掃除をすることには 「なにがしかの人間的努力」 が必要になる。 この状態がエントロピの減少である。
この人間的努力がプリゴジンがいう 「エネルギの散逸」、つまりは 「エネルギの消費」 にあたる。 この散逸によって宇宙の熱的死に向けての歩みはそれに応じて減速される。 だがその努力を怠って自由奔放なすがままの生活に終始するならば宇宙の熱的死に向けての歩みはそれに応じて加速されることになる。
イリヤ・プリゴジンが提唱した非平衡熱力学の散逸構造理論に於ける 「自己組織化」 とは何のことはない 「生命体の努力」 という 「はなはだ当たり前のこと」に行き着いてしまうのだが ・・ その真理やいかに?
2018.09.17
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