以上の状況をうまく説明したのがプリゴジンが提唱した 「非平衡熱力学の散逸構造理論(自己組織化)」
である。 全体系のエントロピが急速に増大している場合、部分系のエントロピに減少する部分があるとすれば、そこで何かがおこっていないとバランスがとれなくなる。
プリゴジンはそこに 「エネルギの散逸」 がおこっていると考えた。 散逸とは言うなれば 「消費」 である。 部分系エントロピである生命活動は自らの生命体をつくりだすことで発生したエネルギを部分系の外に放出し全体系エントロピの増大をうめあわせているとしたのである。
宇宙がエントロピの増大で 「大いなる熱死(熱的死)」 に向かっていく中で生命のみがそれに逆らって孤軍奮闘している姿が彷彿と浮かんでくる。
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