Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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ホロニック(1)〜宇宙内蔵秩序
 「ホロニック」 とはどんな部分にも全体の動向がふくまれているような関係にあるひとつの 「部分=全体系」 のことである。 様々な場面に現れたその胎動の典型を以下に列記する。
 華厳経は般若心経に比肩される大乗仏教における中心経典であって 「一はすなわち一切であり 一切はすなわち一である」 とするホロニクスを中核とする。
 フランスの数学者、ブノワ・マンデルブロが導入した 「フラクタル」 と呼ばれる幾何学概念は 「全体の形状と部分の形状が自己相似になっている」 とするホロニクスである。 フラクタル構造とは、例えて言えばロシアの民芸品 「マトリョーシカ人形」 が具備する 「入れ子構造」 のようなものであって、マトリョーシカ人形の体内には一回り小さいマトリョーシカが入っていて、これが何回も繰り返される。
 理論物理学者、デビット・ボームは 「目に見えるすべての明在系には 宇宙の一切を統御する暗在系(宇宙の内蔵秩序)が含まれている」 とする宇宙構造のホロニクスを提示した。
 さらには茶人、千利休は 「世の中のこと一杯のお茶にしかず」 と浮き世に潜在するホロニクスの核心を看破した ・・ 等々。 ホロニックの典型はさらに次々と見つけ出すことは可能であろう。
 私はかくなるホロニックの胎動を 「宇宙内蔵秩序」 と位置づけ 「細部は全体 全体は細部」 と表現している。

2018.06.12


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