未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
社会の変質〜被る代償は甚大
社会は公共性から経済性へとその本質を変え、公共性に支えられていた社会構造は経済性に支えられる社会構造へと移行を試みているかのようである。
巷間、社会の公共性を標榜するかのように「都民ファースト」、「アメリカファースト」、「○○ファースト」というキャッチコピーが多用されてはいるが、このコピーの意味するものは「公益性」であって、その語るところは姿を変えた「経済性」である。
経済性の求めるところは「経済的合理性」であって、その本質は「個別利益の優先」である。 他方、公共性が求めるところは「社会的合理性」であって、その本質は「全体利益の優先」である。
ちなみに「都民ファースト」とは個別的な都民利益の最大化を目的とした政策であり、「アメリカファースト」とは個別的なアメリカ利益の最大化を目的とした政策である。
では社会政策が全体利益優先から個別利益優先へとシフトしたら世相はいかなることになるのか?
それは、個別格差の拡大、利己主義の横溢、奉仕精神の喪失 ・・ やがて来る 混乱と闘争。 予測される事態は明るいものではない。
現代社会に潜在するこれらの病巣をいかに治療するかによって人類の未来像は大きく異なる。 もし仮にその治療に失敗したときに被る代償は想像を超えて甚大なものになるであろう。
2018.02.20
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