未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
涙のスキップ〜未知領域への勇気と覚悟
新たな社会は未知なる領域を繋ぐ「意識のワームホール(時空のトンネル)」としての思惟によって拓かれる。だがかくなるワームホールが見つかったとしてもその未知領域に飛び込むにはそれなりの勇気と覚悟がいる。
その勇気と覚悟の中核は「日常性からの脱皮」である。日常性はまた習慣性へと換言されるが、習慣からの脱皮には多大な精神的エネルギを必要とすることは誰しも経験してきたことである。習慣の本質は惰性であって、惰性とは努力しないことから発現する行動の様式である。ゆえに日常性からの脱皮には多大な努力と苦難の道を行く勇気が必要なのである。
その勇気を例えて話せば以下のようなものである。
誰しも失恋すれば深い喪失感で感傷にひたってしまう。なぜならその感傷にひたっている状態がことさら心地よく精神的に楽だからである。逆にその感傷を拒絶して顔を上げ胸を張って立ち上がり歩き出すことはその何倍もの苦痛をともなうものであってことさらの勇気を必要とする。その勇気を形容すれば悲しみに涙する者がスキップするようなものである。
新たな世界を拓こうとするならばかくなる「悲しみに涙しながら笑顔でスキップする」ような勇気と覚悟を受容しなければならない。未知領域への道はかく思うほどには楽ではないが、かといって怖れるほどには難くない。
2018.01.01
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