Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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時代の分岐点
 世論調査における期待する政策第1位「経済の成長と雇用の回復」は終局において自虐的な帰結に至るであろう。
 なぜなら経済が成長しさえすれば 雇用が回復するかどうかはわからない。経済は経済的合理性で運営されているのであって その合理性が目指すものは経済的利益の最大化が目的であって 雇用の拡大が目的ではない。言うなれば雇用の拡大は「手段」であって 経済的合理性に合致する場合においてのみ 達成されるものである。雇用の拡大よりも効果的な手段(例えばコンピュータ化や機械化等々)があれば達成されないであろう。どうしても雇用の拡大を目的とするならば 逆に経済的合理性を手段化することである。言うなれば 雇用の拡大のためには 経済的利益を犠牲にするという政策である。
 だがこのような政策が現実的に可能かどうかは疑問である。なぜなら経済的合理性は現代社会の中では揺らぐことなき「絶対的基準」となっているからである。
 しかしながら 経済的合理性を絶対的基準として国家運営を行ってきた先進各国は 今さまざまな矛盾を露呈 崩壊の危機に瀕している。そろそろ原点回帰する刻であろう。
 そう 「社会は合理性を達成するために存在するのか? それとも人間性を達成するために存在するのか?」 という根源的な選択である。

2017.11.26


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