未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
物質的宇宙と意識的宇宙の乖離〜その意味するもの
新大陸発見が相次いだ大航海時代における人類は未知なるものに向かって冒険の日々をおくっていた。その未知はやがて既知となるが、次の未知に向かっての冒険はとどまることなく続けられ、自らの外に広がる物質的宇宙空間は拡大の一途をたどってきた。
自らの内に広がる意識的宇宙空間もまた物質的宇宙空間の拡大にシンクロ(同期)して拡大されてきたが、次なる科学万能時代に至っては物質的宇宙空間の急激な拡大に追随できずに互いの宇宙に乖離が生ずるようになってしまった。
縄文人が眺めた物質的宇宙風景と意識的宇宙風景はおそらく緊密に同期していて同サイズであったにちがいない。だが現代人のそれは甚だしく非同期でサイズも異様なまでに異なっている。その差異は縄文人がもった物質的宇宙の数百倍のサイズに対し、現代人がもつ意識的宇宙のサイズが、その縄文人の数百分の1でしかないというような違いである。
現代人は怖ろしいまでに拡大した物質的宇宙にいながら、怖ろしいまでに縮小した意識的宇宙を背負って生きている。
この乖離を修正しなければ人類に未来はないであろう。その修正方法は2つに1つである。いわずもがな、「物質的宇宙を縮小するか?」、それとも「意識的宇宙を拡大するか?」である。いずれを選択するかによって人類の前途は大きく様変わりすることだけは確かである。
2017.09.27
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