未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
呼び鈴を押すのが怖い現代人
現代人は玄関の呼び鈴を押すのが「怖い」という。中には玄関の前に立って携帯でその家の住人にメールして「お伺いを立ててから」おもむろに呼び鈴を押すのだという人もいる。 この現象は何を意味しているのか? 人間が人間に合うのが怖いとはどうしたことか? それは情報化時代が生んだ新たな局面なのか? それとも社会構造を根底から揺るがす本質的な変質なのか?
畢竟。私には人が生身の人間から情報化された仮想の人間になろうとしているかのように観える。人間が単なるデジタルデータになってしまってはもはや生物とはいえない。
それとも情報化社会が目指すところはあらゆる生きものを陳腐な数値データにしてコンピュータ処理を可能にするところそのものにあるというのか? だがそこまで主体性を失った人間にいったい何がのこされるというのか。
2017.08.31
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