最期には0にリセットされるからといって、お金に振り回されて、この世をあくせく生きることは願い下げである。願わくは人は楽しく生きたいのが本音であろう。高杉晋作の辞世の句「面白きことのなき世を面白く」は、その本質を見抜いた晋作のライフスタイルをあらわしている。生きいた時間は短くはあったが、晋作はその言葉どうりのライフスタイルを貫いて維新回天の世を駆け抜けていった。おそらくそれは人生の終端にある0へのリセットを充分に覚悟したがゆえの選択でもあったであろう。そこには現代人のようなお金次第の価値観は感じられない。お金は面白き人生を創出するための道具としての意味はあっても目的ではなかったはずである。
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