・・・ そんな真面目な性格であったから「スーダラ節」の楽譜をはじめて渡された時には「この曲を歌うと自分の人生が変わってしまうのでは」と真剣に悩んだ。父親に相談すると「どんな歌なんだ」というからスーダラ節を歌ってみた。父は真宗大谷派の住職であり、厳しい正義感の持ち主であったから、あまりにふざけた歌詞に激怒されるに違いないと思っていると、父は「すばらしい」と涙を流さんばかりに感動してくれた。唖然としながらも理由を尋ねると「この歌詞は我が浄土真宗の宗祖、親鸞聖人の教えそのものだ
親鸞さまは90歳まで生きられて あれをやっちゃいけない これをやっちゃいけない ということをみんなやっちゃった 人類が生きている限り
この「わかっちゃいるけどやめられない」という生活はなくならない これこそ親鸞聖人の教えなのだ そういうものを人類の真理というんだ
上出来だ がんばってこい」と諭された。それでスーダラ節を唄うことを決意したんだが、その言葉は生きていく上で生涯の支えになっているよ
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